都会の喧騒を離れ、自由気ままに、自然を身近に感じながら、丁寧な暮らしを淡々と続けてきて、今思うこと。それは、
なんかちょっと飽きてきた。
暮らしを創る過程は確かに楽しかった。でもひと通りでき上がってそれがパターン化すると、それまでの高揚感は一気に薄れて、今度は孤立感・無力感・閉塞感・虚無感を感じ始めるようになった。まさか「ストレスがまったく無い」ということがストレスになるなんて夢にも思わなかった。
それでもやっぱり移住して良かったと思う。あのまま実家に居続けていたらきっともっとまずい状況になっていたと思うし、ここで出会った様々な事や人のおかげで自分をより深く知ることもできたから。
自分自身と向き合い続けて自分を分かったつもりになっていたけど、とんだ勘違いだった。他人と向き合うことでそのことがよく分かった。そして仏教で言うところの「慢」に陥っていたことにも気付くことができた。相手あってこその自分。その大前提をすっかり忘れてしまっていた。
以前よりだいぶ心を開けるようになったとは思う。でも顔色を伺ってつい閉ざしてしまう時もまだまだある。30年以上もそうやって生きてきたんだから仕方ない。今はそう自分を受け入れられるようにもなってきた。
否定されたり意見が割れたりするとやっぱり動揺してしまう。だからといって何も言わず相手に合わせてばかりいたら、自分をますます嫌いになってしまう。今の自分には必要なプロセスだと言い聞かせて、怖いけどなるべく言うようにしている。
これまでずっと抱えてきた「どうせ分かってもらえない」という諦めは、「どうせ分かってもらえないだろうけど」という長い前置きに変わりつつある。
これからもずっと、この何でもない日々は続いてゆく。何かを望めば失望するし、何も望まなければ退屈する。ほどほどに望んで、そこそこに楽しむ。そんな風に飄々と過ごしていければいい。
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