前説
ティファールの電気ケトルよろしく、あっという間にすぐに経ったフォーマンス。種まき水まき同時に芽が出るぐらいあっけないボアなデイズ。お前の母ちゃんローコストパフォーマンス。
(ここで腕を組みアゴを上げ首を少し傾けてポーズ)
おっと、これはいけない。初投稿に思わず気分がアガってしまい、息をするようにさも自然と韻律を奏でてしまった。しかも大して上手くもないという。だが、悪気はないし後悔もない。
そこにあったのは果てなきカタルシス、ただそれのみであった。
~完~
ここまででどれくらいの人が「戻る」ボタンを押したことだろう。それを考えると僕はあのクソよりもずっと始末に負えない韻律に対して感謝を示さずにはいられない。
なぜならこうしてふるいにかけることができたのだから。そして、そのふるいの上に不幸にも残ってしまった人こそあなたである。
まずは、今もまだ懲りずにこの文章を読んでくれているあなたにお礼とお悔やみを申し上げたい。
世の中には面白いコンテンツがごまんとあるというのに、何が悲しくてこんな駄文を読んでいらっしゃるのだろうか。おそらくあなたはよっぽど暇を持て余しているか、あるいは真性のマゾのどちらかなのだろう。
この記事をどういう目的で読むかは完全にあなたの自由だ。ましてやそれが自らの性癖を満たすためだったとしても一向に構わない。僕としては読んでくれているだけで十分にありがたい。
が、金輪際あなたのことはどうか「変態」と呼ばせていただきたい。もちろん最大限の敬意を込めて。
かつて父は僕にこう言った。
「後悔とちんぽは先に立たず」
その言葉を今、あなたにも贈りたいと思う。特に他意はない。ただなんとなくそうしたいと思っただけだ。でもそんなどうしようもない言葉でさえ、変態のあなたならきっと喜んで受け入れてしまうのだろうね。
さ、というわけで(初ロケに息巻く若手お笑い芸人のオープニング時ぐらいのテンションで)
改めまして、どうもこうくんさんです。なんか劉備玄徳の昔馴染みのような名前だなとふと思ったそこのあなた。お目こが高い。僕らはきっと良き友達になれることでしょう。
そんなあなたにならきっと気付いてもらえると思って、先ほど僕はごく自然と下ネタも練り込んでおいた。え?気付かなかった?またまたご孫権を。
本編
表題のとおり熊野に移住して早4ヶ月が過ぎた。この間に様々な出来事、出会い、気付きがあった。Vlogを始めようと思って動画もたくさん撮った(編集するのがめんどくさくなってまだ一つも上げていない)
ようやく生活も落ち着いてきたので、いっちょ移住に至るまでの過程をぐだぐだと内情たっぷりに書き連ねてみよう。というのがこの連載の趣旨となる。
間違っても移住後のキラキラした生活を見せ付けて自己承認欲求を満たすものではないことをあらかじめお伝えしておく。
とにかくこれを読んだあなたが「うっわー、自分よりも残念なやつっているんだな。なんか安心した」とちょっとでも前向きになってくれたなら、著者としてそれ以上の喜びはない。
それではケツの穴でもほじりながらリラ~~ックスして読み進めていってほしい。
***
横浜(実家)にいた頃の僕はもうあらゆることに食傷気味で「こうしてこのまま埋もれるようにして一生を終えてゆくのだろう」という確かな自信だけを胸に秘め、日々をただ無為に過ごしていた。
でもあの日々自体は決して無為ではなかった、と今になっては思う。生かすも殺すも笑うも怒るも結局はすべて自分次第、という大きな学びを得ることができたからだ。
頼れるものは本だけだった。それはもう手当たり次第に読み漁った。当時よく読んでいたものをざっと挙げると、スッタニパータ、ダンマパダ、セネカ、プラトン、老子、アチャン・チャ―、ラマナ、ニサルガダッタ、フロム、ルソー、ショーペンハウエル、ユング、中島義道などなど。
他にもタイトルに真理とか真我といった類の文字が躍る本にはもれなく飛びついた。そして、来る日も来る日もヴィパッサナー瞑想に耽った。今になって思えば、あれは単なる迷走でしかなかった。
とにかく、現状から抜け出すための答えを外側に求め続けていた。でもこれがどうしたことか、求めれば求めるほどますます深みにはまり、現実社会からも離れていった。こういう類の本に食いつく人が必ず一度は陥るであろう罠にまんまとかかってしまったわけだ。
なぜ生まれてきたのか、自分とは何か、世界や他人は本当に存在するのか、この身に起こる出来事は偶然か必然か。宇宙とは?時間とは?空間とは?
そんなわけわかめなことをぐるぐると考え続けているうちに7年が経っていた。いやいや、ちょっとこじらせ過ぎじゃない?と今あなたは思ったかもしれない。僕もまったく同意見だ。正直、長引かせすぎた。あの忍耐強いセミの幼虫でさえ痺れを切らして羽化してしまうほどに。
それから僕は現状を変えるべく自ら動き始めることにした。正直恐怖心しかなかったが、何もしないでいるよりはずっとましだった。これが2022年6月のこと。
移住先の第一候補は愛媛県松山市だった。それは「現状を変えるぞ」と決意した直後に母と一緒に食べたクリームプリンの製造場所がたまたまそこだったから、というだけの理由。
登録以来ずっと放置していたとある移住マッチングサイト(固有名を出すとステマ臭がプンプンするのであえて伏せておく)に早速ログインし、松山市の募集記事を探した。いくつかあった。とりあえず「興味ある」ボタンを押した。
基本ビビりな僕は、このボタンを押すだけでも裕に一時間を要した。だが押してしまえばこっちのもの。あとは優雅にマスでもかきながらあちら側からメッセージが届くのを待つだけ。
僕のようなチキンハートブタ野郎にとってこれほどありがたいシステムはない。ちなみに、募集記事を読むだけなら登録すらいらない。なんという聖母仕様。
以降、気になる募集記事の「興味ある」ボタンを思考停止状態かつ無表情で延々と押し続けた。その中には熊野市の募集もあった。
今見返してみたらどうやら僕は「熊野市職員募集」に対して興味あるボタンを押していたようだ。いやはや、思考停止にもほどがある。
見事なまでのテンプレ文を送りつけてくる自治体が多勢の中、熊野市だけは温もりを届けてくれた。それが濱田大先生との出会いだった。その一つの出会いを機に、僕の人生はその後大きく変わっていくことになる――。
次号に続く。
後記
ここまで読んでくれた変態のみなさま、どうもブタ野郎。少々ふざけ過ぎてしまった(いやむしろふざけてしかいないか)が楽しんでいただけたなら嬉しい。
え?コメントがしたい?あなたの変態ぶりには本当に頭が下がる。それならどうか変態らしくブー語で書いてみてほしい。ブー語検定準1級を持つ僕が華麗に翻訳してみせよう。
ぶヒっブヒひンっブーぶっヒッヒ。
こんな具合に思うまま気の済むまま鳴いてみてほしい。次号についてはこの記事のコメント数が3を超えたタイミングで公開しようと思っている。つまり、これが最終号になる可能性もあるということだ。すべては諸豚らにかかっている。
それでは心より健闘を祈っている。
●読後のデザートBGM
次号はこちら。
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