ふとピザが食べたくなったので、朝からせっせと生地をこねる。今回は2割ほど米粉に置き変えてみた。途中はかなりベタついてこりゃ失敗かと思ったけど、こね続けるうちに何とかまとまってくれた。
生地をボウルに戻しビニール袋に入れ、沸騰したばかりの片手鍋の上にケーキクーラーを載せてその上に置く。それから全体をタオルで包む。タイマーはとりあえず30分にセット。
ピザにはやっぱりコーラと、その間に原液を作る。片手鍋に水200ml、砂糖100g、シナモン・ナツメグ・カルダモン・コーラナッツのパウダーを各小さじ1ずつ加えたお茶パック、バニラエッセンス10滴を入れて中火にかける。フタはしない。
沸騰したら弱火にしてさらに10分煮る。そのまま冷めるまで置く。冷めたらレモン果汁10mlを加える。これで完成。原液1に対して炭酸3の割合がちょうどいい。早速ごくりと試飲。昔よく駄菓子屋で買って飲んだカリフォルニアコーラにそっくりの味で思わず童心に帰る。
30分後、生地は2倍ほどの大きさに膨らんでいた。中央を人差し指で勢いよく押して様子を見る。へこみは戻らない。どうやら過発酵でもないらしい。具材をのせて180度に予熱したオーブンで18分焼く。
キッチン全体が香ばしい匂いに包まれる。まもなく終了を知らせる合図音が高らかに鳴る。ドアを開くとジュージューと食欲をかき立てる福音が一斉に響き渡る。それに呼応するように腹がグーグーと鳴る。さっとハサミで切り分けて食卓へと運ぶ。
ぱくっと一口。それからごくっとコーラを一飲み。ただただもう、どうしようもなく美味い。汗だくになりながらこねた甲斐があったというもの。暮らしもこれと同じようなものかもしれない、とふと思った。こねればこねるほど、手間をかければかけるほど、より味わい深くなるという意味において。
食べ終えたあと、いつものように窓辺の座椅子にもたれ手巻きたばこを喫む。コーラの写真を撮り忘れたことさえどうでもよくなるぐらい「ああ、なんて満たされた日曜日だろう」と心底思った。求めていた豊かさが確かにそこにあった。
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