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変遷

個人ブログからの自選シリーズ。

パソコンを持たずにいつものカフェへと向かう。久々にのんびり読書でもしようかと思っていたが、案の定満席だった。ひとまず駅の反対出口側に行ってみた。人混みに一瞬でやられた。

予定を変更して公園に行くことにした。公園もなかなかの賑わいだった。空いているベンチをようやく見つけ腰掛ける。そしてふと、休みの日にわざわざ人混みの中に飛び込みに行くなんてとんだマゾ野郎だったなと自省した。

カバンからキンドルを取り出して方丈記の続きを読む。完全な無音よりもこうして少し雑音がある方が集中できるものだ。

自転車に乗る練習に励む父子、ベンチで将棋を指す老人、ベビーカーを押して歩く若い夫婦、サッカーに熱中する子供たち。土曜の公園はまさに人生の縮図といっていい。

私たちは生まれ、老いて、やがてもれなく死んでしまう。今この公園にいる人々もいつかはこの世からいなくなる。でも公園に訪れる人々はこれからも絶えることはない。公園があり続ける限りずっと。

そして、私がいなくなったあとも「公園で本を読む人」はこれからも存在し続ける。私にとって私は特別な存在だ。でも公園にとってはそうじゃない。ただそれだけのことだ、と受け流せるほど私は強い人間じゃない。だからあえて言う。悲しい切ない寂しい悔しいやり切れない。

無常の中にあってそれでも悩み苦しむ。それが人間の常。

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