無駄を嫌うようになったのはいつからだろう。言葉を飾らなくなったのはいつからだろう。心の奥底で燻っているこの感情は何だろう。
枯れてしまったんだと思った。そうして空を眺めていたらどこからともなく鳥の鳴く声がした。その瞬間、不思議と心が軽くなった。熟しただけなのかもしれないと思った。
知識が増えるほど感性は鈍くなると知った。これもまた一つの知識だ。何も知らなくたって語ることはできる。どこかで自信を見失った僕はそのことをすっかり忘れて、感性までも失ったと錯覚してしまっていた。
感性は変わらずずっとここにあった。失われても枯れてもいなかった。もうこれ以上「取り戻そう」とやっきになる必要はない。手を伸ばしてその熟した果実をもぎ取ればいいだけだ。でもその勇気がまだ、僕にはない。
個人ブログ自選その79
2022年10月6投稿分より
コメント欄