個人ブログからの自選シリーズ。
小説を書き始めてから、創造には2種類あるということに気が付いた。一つは影響と模倣によるもので、もう一つは閃きによるものだ。影響と模倣は有限でその源は外側にあり、閃きは無限でその源は内側にある。
創造しようと考える限り影響と模倣の支配下からは抜け出せない。つまりその創造物は既知的で一般に広く理解され受け入れられるものとなる。そしてやがて忘れられる。
対して閃きは、全く何も考えていない時に突然ふらりとやってくる。それはとても強烈かつ具体的でとにかく形にしないではいられないという衝動性を伴う。こうして生み出された創造物は大抵の場合すぐには理解してもらえない。理解されるようになってきた頃にはもう作者は土の下なんてこともざらである。
私はあらゆる影響と模倣から離れたいと思った。そうしたら意図に巻かれて全く身動きが取れなくなった。何かを否定するということはつまり、その存在を肯定するということだ。そのことに気付かない限り、離れても離れてもまた別の影響と模倣に出会うだけである。
私は最初の時点でもう間違えていた。道は一つしかないと思い込んでいた。そしてそれが間違った道だとは決して思わずにただひたすら突き進んだ。道はやがて行き止まりになった。そこでようやく、影響と模倣から離れたいという考えそのものから離れるべきだったということに気付いた。
この文章は果たして閃きによるものだろうか。それとも…
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