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退屈と自由

個人ブログからの自選シリーズ。

良い暮らしをするために働くのではない。退屈しないためだ。うっかり良い暮らしを実現してしまったらその瞬間退屈になる。

だから労働からはいつまでも解放されることはない。これ以上の退屈しのぎはないからだ。

全ての欲求は退屈したくないというただ一つの願望に集約される。生活は程よく苦しい方がいい。余裕があるとつい余計なことを考えがちだからだ。

大抵の人々は良い暮らしがしたいと考えている。でもそれがどういうものかを知る人はほとんどいない。仮にそれが時間と金を自由に使えるようになることだとする。今すぐその状況を手に入れられるとしたらどうだろう。何となく物足りなく感じてしまうのは私だけだろうか。

退屈したくない。同時にまた自由にもなりたくない。心境としてはこのような具合である。

毎週ごとにやってくる休日をどうにかして埋め合わせている。映画を見て2時間、アニメを見て2時間、本を読んで2時間、外に出て3時間、日記を書いて2時間。買い物をして1時間。

こんな風にして一日は無為に過ぎてゆく。そしてまた労働の日々。だが、例えこんな毎日でも退屈するよりははるかにましである。

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