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死に遅れてしまった

たとえ同じような思想を持っていても同じような行動を取るとは限らない。彼らと仲良くなれなかったのもたぶんそこに原因があった。

何だよ、散々同情しておいてちゃっかり楽しんでるじゃん。って勝手に裏切られた気になって恨んだり羨んだりもした。

でも知られてしまうのが嫌だったんだな。最後まで謎な人のままでいたかった。そしたら本当に誰にも知られずに終わった。狙い通りだったはずなのに完全に拍子抜け。そして物足りなさだけが残った。

何度やり直してもおそらく結果は変わらないだろう。それを運命で片付けるのは簡単だけど受け入れるのはそうでもない。分かるだろ。君はそうやって目に見えないものにずっと振り回されて生きてきた。目に見えるものをなおざりにしてずっと。

タイヤを引いて走る野球少年のように、君は今あの頃の気持ちを引きずったまま歩いている。ひどく疲れているのはそのせいだ。明日の朝もきっとまた君は鏡に向かってこうつぶやくんだろう。ああ、また死に遅れてしまった。

個人ブログ自選その68
2022年8月16日投稿分より

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