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寛容

個人ブログからの自選シリーズ。

病気や死を目の当たりにすることで人は寛容になる。どれほど許せなかったことも途端に許せるようになる。他人に対して意地を張ったり素直になれなかったことがとても馬鹿らしく思えてくる。

日常に慣れ過ぎるとこの日々が有限であることをつい忘れてしまう。家族や同級生や同僚とはこれからも永遠に顔を合わせるものだと思い込んでいる。

だから関係性が悪くてもいつか修復すればいいと考える。そしてそのいつかは病気や死と共に突然消えてなくなる。

そのときになって初めて後悔する。
なぜもっと早く修復しなかったのかと。

もし父が病気になっていなかったら今でもきっと関係は冷え切ったままだったと思う。頭では良くないと理解していても感情にはどうしても勝てない。不幸を経験してようやく幸せとは何かを知ることができた。本当に長い道のりだった。

しかし残念ながらそれもずっとは続かない。時間が経てば自然と元の関係性に戻ってしまう。原因は相手ではなく自分の内側にある。自分と他人を切り分けて考えているうちは永遠に解決されない。皆一つだと観念するまでは。

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