朝起きて台所に向かうと、シンクにハエトリクモが死んでいるのを見つけた。彼とは3日前に出会ったばかりだった。ああ、これでまた孤独に逆戻り。そう思うと何だか無性に悲しかった。
孤独と過ごす日々の中で、思考は絶えず頭の中を這い回る。時にはそれが行き過ぎてそんな自分に恐怖する。僕はまだまだ僕を分かっていないらしいことを知る。
望んだ暮らしの中にあってなお、不安と虚無と羨望はひっきりなしにやって来る。そして懲りずに僕はまた、ここではない何処かに夢を見る。
心にだって雨が降る。ずっと晴れてくれたらいいけれど、それは傲慢というものだ。昨日がどんなに前向きだって、今日もそうとは限らない。雨続きで自分を責めたくもなるけれど、それもやっぱり傲慢というものだ。原因も理由も責任もきっと自分にはないのだから。
押しつぶされてしまいそうな独りの夜を、これまでどれだけ過ごしてきただろう。誰かに頼る勇気が少しでもあったなら、そんな夜さえ少しは好きになれていたかもしれない。
でもどうしてもできなかった。独りと同じぐらい、つながることが怖かったから。どうせきっと分かってもらえない、そう言い聞かせてフタをして、誰にでもあるその感情をまるで特別なものであるかのように扱った。そしたらますます言えなくなって、他人の感情さえ見えなくなった。
寂しい時には寂しいと嬉しい時には嬉しいと、そう素直にちゃんと言える人でありたいと今は強く思う。そして、自分もまた他の誰かのその気持ちを素直にちゃんと聞ける人でありたいと。
今日のそちらの天気はどうですか?
個人ブログ自選その75
同日投稿分より
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